初心者のための海外SEOブログ!

来年IT企業に入社する大学生が、海外のSEO記事翻訳等を中心にIT業界を探検します!

【海外SEO】はじめしゃちょーが話題のいま海外のYoutube事情について調べてみた

 最近、いろんな意味で、Youtuberはじめしゃちょーが話題となっております。

 ただ、こうしたYoutuberのスキャンダルがニュースでも多く取り上げられるあたり、ネット動画が欧米に比べて盛んではないといわれている日本でも彼らの事が浸透しているのではないでしょうか。

 今回はこのはじめしゃちょーの一件を機に(?)、日本と海外のYoutuberの相違点や、Youtubeを中心とする動画SEOの最前線について紹介したいと思います!

Youtuberの年収やSEOへの活用度は欧米が圧倒的!

 

 

 少し前に、この「好きなことで、生きていく」の動画が話題となったYoutuber。

  • ディスプレイ広告
  • オーバーレイInVideo広告
  • TrueViewインストリーム広告
  • 標準インストリームインストリーム広告

 収益を得る構造としては、Youtube上にこの4つの広告を掲載する事で成り立っています。

 人気の移り変わりが激しい業界ではありますが、HIKAKIN、はじめしゃちょーといったトップの知名度のYoutuberは、推定1億円以上の年収があるのではないかと言われています。

海外のYoutuberは収入も桁違い!

 海外ともなれば、Youtuberの収入も日本とはかなりの差があります。

 昨年、フォーブスが発表した「世界で最も稼ぐYoutuberランキング」では、スウェーデン人のPewDiePie(ピューディパイ)が2年連続で1位となりました。

 彼は、このような怖いゲームを実況したり、一般人にえげつないドッキリをしかけたりといった動画を投稿し、人気を博しています。

 割と日本でも見られる内容ではありますが、こちらとは違い、TVの所謂バラエティ番組というものがない国もあるので、こうした若者向けの動画コンテンツは、日本以上の訴求力があります。

Youtube×SEOの最前線

 前置きが長くなりましたがここからが本題です。

 動画をつくるクリエイターとしてではない我々SEO初心者たちは、Youtubeを上手く使って検索エンジンの上位表示を目指す必要があります。

 実際、海外では日本よりも、動画を活用するSEO対策が進んでいるといわれています。

 日本でも、近年動画元年といわれてから、マーケティング業界の動画ブームが起こっています。

 今後(今やすでに)、SEO業者やマーケッターにとって、動画利用の知識は必須となるでしょう。

動画を埋め込むと1ページ目に表示される確率が53倍になる!

 Forrester Researchというアメリカの調査会社が、「動画の埋め込まれたページは、埋め込まれていないページと比べ、約53倍の確率で検索結果の1ページ目に表示される」 という調査結果を発表しました。

 テキストが含まれない動画コンテンツではありますが、タイトル、説明文、タグといった動画の付随情報を検索エンジンは評価します。

動画は滞在時間とユーザーの需要解決に優れている!

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  GoogleBeatlesと検索した場合、このような画面になります。

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  一方、Beatles+Helpアーティスト+曲名で検索した場合、このように動画が先頭に表示されるようになります。

 ダイレクトにネットで動画コンテンツを楽しみたいユーザーが増えているため、ユーザーが動画を見るために検索する、こうしたワードに対しては、動画を利用する事で効果が倍増します。

日米の動画SEO発展の違いは動画需要の違い

 アメリカではいまGoogle TVが話題になっているといいます。

 アメリカの若者にとってネット動画はただ個人的に楽しむものだというだけでなく.仲間とPCを囲んで共有するという楽しみ方も広がってきています。

 面白い動画をテレビを使って共有できるGoogle TV も、そうした若者の需要と合致しています。

 ネット動画を楽しむ環境や手法の違いが、アメリカの動画マーケティングの発展を支えているようです。

まとめ

 

 以前の記事でも紹介しましたが、新しいマーケティングの在り方として、SNSの拡散を重視した方法が注目されています。

 こうした方法は動画と相性が良く、今後も動画マーケティングの発展は進むでしょう。

 内容を分析するアルゴリズムなどがまだ未熟な部分もありますが、将来予測として頭にいれておいた方が良いとおもいます。

 

良いブログ記事のタイトルの付け方について調べてみた

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 ブログの記事のタイトルの付け方は、内容を端的に表すものが良いとも、読者に興味をそそらせるものが良いとも言われます。

  Webで公開するものは、一番最初にタイトルが目に入るわけですから、アクセス数を考えれば、内容と同じくらい大切なものでもありますよね。

 今回は、そんなブログ記事のタイトルの付け方の方法やコツを調べていきたいと思います。

ブログ記事タイトルの付け方のコツ

 それでは、ブログ記事のタイトルの付け方のコツについて調べていきましょう。

 「そんなの当たり前だ」と思うポイントもあると思いますが、私の経験上、こうした当たり前の知識をしっかりと意識していく事で考える時間が減り、作業スピードが大幅にアップします。

タイトルと内容の整合性が取れている

 もっとも基本といえるのがこれでしょう。

 この前のブログ記事でも書きましたが、タイトルを読んだユーザーが記事を読む事で自らの欲求を満たすことができるという有用性の部分に関わってきます。

 ブログタイトルをつける上では、一番優先するべきポイントでしょう。

この記事を読む事で得られる利益を明示する

 調査をしてみると、このタイトルの付け方を意識したブログは良い記事である確率が高いように感じます。  

 この記事タイトルは、どんな人に対して向けられた内容で、読むことで、どんな問題点を解決する事ができ、その結果どうなる事が出来るのかが明確かつ簡潔に記されています。

 「老けた印象」というワードを入れる事で、歯のケアに興味がない女性の方も引き込む事にも成功しています。

SEOのキーワードを入れる

 タイトルにSEOのキーワードを入れる事で、検索順位を上げたり、ユーザーにとっての有用性を高める為には重要です。

具体的な数字を入れる

 数字を入れる事で、具体性や信憑性を挙げる事ができます。

 この様に、内容の中で重要となるポイントの数を明示する事で、ユーザーにも読みやすくなると思います。

 個人的な意見ですが、「2つのポイント」だと内容が薄すぎるように感じますし、「6~10のポイント」だと多すぎるように感じます。

 後に"ポイント"とつけるなら、3,4あたりがベストではないでしょうか。

まとめ

 ブログタイトルは、なんとなくでも十分な場合もありますが、やはりしっかりとポイントを知っておくことで、良い付け方をする事ができると思います。

 こうしたポイントは、一見当たり前に思えるものが多いですが、理解しているのとしていないのでは、ライティングスキルに大きな差が出るので、しっかり頭に入れておくようにしましょう。

【感想】池谷義紀「新人IT担当者のための Webサイト 構築&運営がわかる本 」(技術評論社,2016年)

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 今回紹介する、この「Webサイトのしくみ・構築・運営がしっかりわかる本」は、前回紹介した「沈黙のWebライティング」とは違い、IT担当者の為のテキストのような部分がありますね。
  
 
 いままで紹介してきた本が、WebやSEO対策についてわかりやすくまとめられたものだとするのならば、この「Webサイトのしくみ・構築・運営がしっかりわかる本」は、より全体を網羅しており、内容も分厚くて難しいです。
 この記事では、ITやSEO初心者の視点から印象的な内容を紹介したいと思います。
 内容全てを紹介できるわけではないですが、私と同じような初心者には特に読んでもらいたいです!

目次

  • 序章:Web担当者の仕事を知ろう
  • chapter1:Webサイトの仕組みを知ろう
  • chapter2:Webサイトの構築準備をしよう
  • chapter3:Webサイトを構築しよう
  • Webサイトを運営しよう

 内容は大まかにこんな感じにわかれています。
 また、本の最後には資料・用語集がついていますが、ここに掲載されている情報量がものすごく豊富です。
 この資料・用語集を手元に置いておきたいが為だけに購入するというのも十分アリだと思いますよ!

20対80の法則を初心者は理解しておこう

 chapter1では、現実世界のビジネスの常識として、20対80の法則が紹介されています。

 海外の経済学者が提唱した理論で、「国の富の8割は2割の富裕層のもとへ集まる」という法則です。
 これから転じて、「売れ筋の上位2割の商品が全体の8割の売り上げとなる」や、「2割の顧客が8割の売り上げをもたらす」というビジネスの原則が生まれました。

大きなアクセス数を稼げるのは2割のサイト

 このブログで当てはめてみると、上の中見出しの様な事が言えると思います。
もっと言えば、ブログのテーマや目的選びでも20対80の法則は適応されますね。本ブログのテーマ(キーワド)は「SEO 海外 初心者」ですが,SEOというテーマのサイトの中で,或るいはSEO 海外」 というテーマのサイトの中で2割に入っているかと言えば疑問がありますね。
 このテーマを掲げているサイトの上位2割に入れるかどうかで、アクセス数が天と地ほど違ってしまうのですね。

ブログ内の記事にも同じ事がいえる?

Google アナリティクス公式サイト - ウェブ解析とレポート機能 – Google アナリティクス
 本ブログでは、Googleアナリスティクスを使ってアクセス解析を行っています。
 これを使って1つ1つの記事のアクセス数を確認してみると、SEO用語に関する記事と、はてなブログに関する記事が特にアクセス数が多い事に気付きました。
 やはり、SEO初心者にとっては難しい用語が気になったり、同じはてブロユーザーにとっては使い方のコツが気になるのでしょう。
 今は記事数が少ないので、コンテンツを充実させる事が必須ではありますが、「SEO 初心者」というテーマのブログを作るなら、やはりこうしたジャンルの記事を増やしていく必要があるのではないかと思います。

ユーザビリティが成果を左右する!

 chapter2の中のユーザビリティも、サイト構築の考え方の重要な要素ではないでしょうか。
 ユーザビリティ、つまり有用性の評価基準は、有効さ・効率・満足度という3観点となっています。
 有効さとは、やろうとしたことが解決できたか、効率とは、やりたい事がどの程度の労力でできたか、満足度とは、Webサイトの使い心地を表しています。
私は、この3つの中でも特に、有効さの観点に注目しました。ユーザーが課題を解決する為にサイトを見つけるという考え方は、Webサイトを作る際には、非常に重要だと感じたからです。
 はてなブログの様々な記事を読むと、自分の趣味を書いている人がやはり多いです。ブログなので当然だとは思いますが、こうしたものと比較すると、「面白いものを作るのでなく、人の為になるものを作る」という考え方が製作者にあるかどうかが、ビジネスかどうか、良質なサイトかどうかの境目のように感じます。

閲覧者を分析しながらサイト運営を行っていく

 上の内容にも関わる事ですが、ユーザーを満足させる為には、彼らがどのような方法でアクセスを行い、どういう傾向を持っているのかを分析することが必要です。
 chapter4では、ユーザーがどこから来るのか、どのようなキーワードで検索をしているのかという事を分析する方法や重要性が説かれています。
 そういった分析こそが、サイト運営の肝であり、IT企業のマーケティング事業で行われている事なのだと思います。
 では、振り返って自分のこのブログを見てみると、まず、圧倒的に記事が少ない!!!という問題点が見えてきます。
 ここでアクセス数を稼げる記事はあっても、見ている集団をサンプリング、分析していくには、こちらから発信するコンテンツがもっともっと必要になってきます。
 なので、私のような初心者にとっては、この本に書いてあるような状況にどれ位はやくたどり着けるかが、最初の課題になるわけですね。
 こうしたユーザー分析は、ある程度サイトが出来上がってから効果を発揮するものだと思うので、サイト立ち上げ時はまずコンテンツを増やすことが急務でしょう。

より本気にWebサイトについて勉強したい人向けの一冊

 この本を読んでいると、高校時代に使っていた情報がぎっしり詰まった教科書を思い出しました(笑)。
 高校の授業は、先生がレジュメを使って分かりやすく進めてくれるけれど、教科書自体は難しくて読みにくいという事が多々ありました。
 この本も、決してそれ自体では読みやすいものではありません。しかし一方で、Webサイトを立ち上げ、運営していくのに大切な情報は、いままで紹介してきた本よりもずっと領域が広く掲載されており、体系的に知識を学ぶ事ができます。
 今回は、初心者の自分が生かせると思った情報を3つほどピックアップしてみましたが、レベルアップするにつれて参考になるページがどんどん増えていくと思います。
 私は、この「Webサイトのしくみ・構築・運営がしっかりわかる本」を成長の指標として使っていきたいと思います!

【感想】松尾茂起「沈黙のWebライティング −Webマーケッター ボーンの激闘−」(エムディエヌコーポレーション,2016年)

                 

 今回は、この「沈黙のWebライティング」を紹介したいと思います。  

 というか、"Webライティング"というものが主題になっている書籍ってかなり珍しい気がします。    

 この本は、かなり分厚いにも関わらず文字数はそんなに多くありません。

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 なぜなら、こういう人(ボーン・片桐さん)や

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 こういう人(ヴェロニカさん)達が大活躍する為、割と文章が入るスキがないのです(笑)。

沈黙のWebライティング - Webマーケッター ボーンの激闘 -(PC版リンク)

 この「沈黙のWebライティング」は、書籍化よりも先にネットで公開されて話題になりました。

 内容が変わっていたりするので、どちらから読んでも楽しめますよ!

こんなお話

 須原にある老舗の旅館「みやび屋」。

 ここは、若女将サツキが経営しているが、HPからの予約が少なく、危機的な状況となっている。

 ミュージシャンを目指していた弟のムツミがHPを担当する事になるが、謎の男、“ボーン・片桐”に突然「このサイトは危うい」と言われてしまう。

 これを機に、ボーン・片桐のアドバイスにより、HPは大きな変貌を見せる事となる。

洋画が好きな人にはかなりオススメ!?

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  読んでいくうちに、「なんか、昔のハリウッドの映画みたい!」と感じました。

”スゴ腕の流れ者が、恩返しの為に彼らの課題を解決していく”

 これはまさに、ベタな西部劇の展開ではないですか!(若干の悪口)

 まあ、確かに本の内容自体も予測通りの展開が多いと思います。ただそれは、この本が伝えたい事がそこまで難しい話ではないという事も大きく関係しています。(それが何かは,このブログ記事の後半に記されています)

 中身は驚くほどしっかりしたテキストでもある!

  この本は、個性的な登場人物が活躍しますが、漫画形式でもあるので、そういう部分が苦手な方は多いと思います。

 確かに文章がビッチリ書いていたり、図で要点がまとめられた方が学んだ気になれます(笑)。というか、私もその傾向が強いです。

 とはいえ、この本は、しっかりとしたテキストになっていますし、Webライティングに限らず、論理的な文章とは何ぞや?と思っている方にもオススメ出来る内容となっています。

Webライティングの本質に焦点を当てた珍しい本

 この本は、論理的な文章を書くコツや、自分が書いた文章を見直し、ツッコミを入れていく事の大切さに触れています。

 Web関連の本で、ここまでアナログな事が書いてあるものは、少し珍しいかもしれません。

 ”素早いコピー&ペーストのコツ”といったテクニックが掲載されている事を期待した方も多いでしょうが(実は私もそうでした)、それよりも文章を書く際の考え方の点に重きを置いている所に感動しました!

 SEO対策などを中心に考えてしまいがちなWebライティングですが、核となるのは、やはり、相手に分かり易く伝えるサービス精神なのですね!

 これまで紹介した本と併用すると良いかも!

 私は半年ほど、SEO対策の方法などを学んできましたが、知識を吸収するのと反比例して記事の内容の質が低下してしまうという事が起こってしまいました。

 大きな原因としては、「SEO、Webライティングについて勉強した事を活かさなきゃ」と思うあまり、見ている人に伝わる文章を書く意識が低下してしまったという部分にあります。

知識がついてきた時こそこの本で原点に立ち返ろう!

 この本は前述の通り、ライティングのテクニックなどが多く掲載されているわけではないのですが、その代わりに、どうしたら文章が見る人に伝わるかという、論理的な文章を書く際のコツが多数掲載されています。

 SEOに関する勉強をしばらくやってきた方で、私と同じような悩みを持っている方には、ライティングの際に大切な心構えを思い起こさせてくれるこの本を必読するべきだと思います!!!

パソコン技術書と併用しよう

 以前紹介させていただいた、この『入社1年目で差がつくパソコン術』(三笠書房)は、ショートカットキーや、Word、Excelの使い方がわかりやすくまとめられた良書でした。

 ただ、今回の『沈黙のWebライティング』を読むと、「何の為にWebライティングをするのか」という事が明確にわかるので、必要なパソコン術を取捨選択する事が可能になります。

 本書でWebライティングに対する姿勢や考え方を学び、「パソコン術」の様な本でスキルを挙げていくというように、2つの本を併用する事で、ライティングスキルがぐーんと向上していくでしょう!

BuzzFeedの運営戦略からWELQ問題を考えてみた【後編】

 

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 前回の記事では、主にBuzzFeedの運営戦略などに焦点を当ててみましたが、今回は、WELQ事件からみるWebメディアの課題を中心に書いてみたいと思います。

 

 SEOだけではなく、Webの信頼性そのものに関わるトピックなので、SEOをテーマに掲げている当ブログからしてみれば、少し脱線した内容であるのですが、ぜひ読んでいただきたいと思います。

SEO対策を施した医療メディア」批判に対する違和感

 昨年12月、DeNAが運営していた医療情報メディア「WELQ」が、医学的に不適切な情報を掲載していたとして、経営陣が謝罪に追い込まれる事態に発展しました。

 この事件は、今も様々な視点から語られています。「IT企業の業務構造の問題」や、「Webメディアの信頼性の問題」といった観点からも多くの記事が書かれています。

 しかし、最近では「医療というものをだしにつかって、金儲けをする事」自体に対する批判も一部から来ています。

 また、「SEO対策をした記事が医療を扱う事」に対する批判さえ出てくるようになりました。

 

 確かに、こうした批判は半分はその通りだといえますが、一方で、既存のメディア環境に照らしあわせば、間違いだともいえます。

メディアは「言論の自由市場」

  通常、メディアは「言論の自由市場」と言われています。コンビニに行くと、明らかに嘘の情報を載せたゴシップ雑誌などが売られています。「メディアは信頼性が第一!」というのなら、こうしたメディアはとっくに規制されているはずです。

 

 しかし、メディアの原理的にいえば、「違う意見はあればある程いい。不必要なメディアはどうせ勝手に淘汰される」となっており、むしろそういった雑誌の存在が肯定されている向きさえあります。

 要するに「表現の自由」にゴシップ雑誌も含まれるというわけです。それ故、明らかに嘘な情報でも、民主主義国家ではある程度、その存在価値が担保されているのです。

WebメディアはTVと雑誌の間?

 しかしながら、この「メディア=言論の自由市場」論は、紙媒体でのみ通用するものです。TVの場合は免許事業であり公共性が強く問われるので、より信頼性が問われます。

 

 フジテレビ系で放送されていた「発掘!あるある大事典」は、2007年に納豆によるダイエット効果のデータを捏造した事で、製作元の関西テレビ社長の謝罪会見後に放送終了に追い込まれました。TVは紙媒体とは違い、信頼できない情報を提供する事は許されないのです。

 

 対して、ネット空間の公共性は、一般的にTVと紙媒体の間だといわれています。Yahoo!ニュースやLineニュースといった大手キュレーションサイトから得る事の出来る情報は信頼性が多少ある一方、信頼性の無いメディアが「市場の原理」で淘汰されにくいという面があります。

 それ故、「ネットの情報は、必要性が高いと同時に、まず疑ってかかる事」が大切になってきます。つまり、ユーザー側のメディア・リテラシーがかなり問われてくるのです。

検索エンジン上位=信頼性の高い情報ではない

 今回のWELQ事件は、ネットサービス大手のDeNAが信頼性の低い情報を発信していた事が主な問題となりました。

 それが問題かといえば勿論そうなのですが、それ以上に、SEO対策が上手くいく事によって、記事が上位検索され、ユーザーは信頼してそれを参照した事自体が問題なのではないかと私は考えています。

 

 「SEO対策を施した医療記事」自体が問題かといえば、私は全くそうは思いません。SEO対策を施した小説や詩があってもいいと思います。

 

kaigaiseo.hatenablog.com

 

上は、私が以前書いたブログ記事ですが、実際にSEO×小説といったものに挑戦している方は既にいますし、内容の面白さ、信頼性とアクセス数は違う概念ですからね。

 ただ、例えば「医療センター おすすめ」とユーザーが検索した場合、IT企業が発信した記事が街のお医者さんが書いたブログよりも上位検索されたら、ネット記事の方をユーザーが信用してしまう事は大きな問題です。

 

 もし、雑誌が嘘の情報を流しそれが話題になったら、売り上げは落ち、淘汰されます。TVは、監視機能がしっかりしているので、嘘の情報を発信する事自体が難しい状況にあります。

しかしながら、Webの場合は、嘘の情報が淘汰される事も、発信し辛い事もありません。「発信元が大企業だから問題だ」という事ではなく、『ネット空間自体が、嘘の情報が存在し、かつ存在し続ける環境である』事、つまり、NHKなどに比べれば、理論上ネットの情報は全て信頼性に欠けるという事をユーザーが肝に銘じておかなくてはなりません。

「政治×Webメディア」からみるテーマ選びの大切さ

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 Webメディアを企業が立ち上げる最大の目的は、殆どが「集客」で、信頼性の高い情報を提供する事ではありません。NHKは受信料を徴収する事で収益を確保していますが、これは信頼できる情報は受容者とのギブアンドテイクでやっと成立するという事も示しています。

 

 それに対しBuzzFeedは、敢えてネットの嘘くささを利用して信頼性がグレーな記事を提供する事でファンを獲得しました。ドナルド・トランプに「Fake News」と名指しで批判されたりもしましたが、そもそも「正確な情報を提供する事」を意識しているわけではないのです。その為のCVであり、拡散重視ですからね。

Webメディアの収益構造と信頼性は相関性がある

 突然、私事とはなりますが、私の卒論の題材は「若者と政治メディア」でした。その中でSeiZee(しーじー)という京都に本拠地のある政治メディアにインタビューを行いました。

 

 その編集長の方が言うには、やはり「政治をWebメディアで発信する事は難しい」という事でした。

 SeiZeeNPOに帰属して継続してる部分もありますが、そういった後ろ盾のない政治メディアは、やはりライトなユーザーを獲得する為に、内容がポップでキャッチ―になっています(それが悪いとは言いませんが)。

ゴシップ、政治と医療は違うけれど…

 アメリカでは、元ジャーナリストの方が有料で配信している「The Dish」という政治ブログが人気を獲得しています。媒体はWebではありますが、既存メディアで活躍していた方が書いているという事で情報の信頼性を獲得しているわけです。

 

 ただ、The Dishは内容の鋭さ、面白さが受けたのであって、媒体が雑誌でも良かった部分もあるでしょう。前述の若者向け政治メディアもそうですが、ネットは信頼性を高めればアクセスが増加するというわけではないですからね。

 

 これまでの内容をまとめると、BuzzFeedは、SNSで拡散する事を目的としていた為、最悪嘘でも良いような情報を発信しても成立してきた。一方、WELQは需要の高さを見込んでテーマを設定をしたが、信頼を獲得できなかったという事ですね。

 この2つのメディアを比較すると、内容や目的が全く違うにも関わらず、外部、内部のライターを使って、同じ構造で記事が書かれているという問題が浮き彫りになってきます。

 Webメディアの収益構造はだいたい同じなので、運営方法も似通ってくる事は当然ではありますが、信頼性、公共性の違いを題材によって判断していくという事がDeNAには求められたのではないでしょうかと思います。

 それは、これから全てのメディア運営会社やブロガーが考えていかなければならない課題でもありますね。

おわりに

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 SEO初心者といっておきながら、大変えらそうな内容になってしまいました(笑)。実は、こうしたWebメディアは大学で専攻した事や卒論の題材にも通じる部分でもあるので、結構自分の中で書きやすいものでもありました。

 

  私が学んでいたのは、どちらかというTVや新聞といった既存メディアだったり、ファシズム形成におけるマス・コミュニケーションの影響だったり(以下、割愛)… 。要するに、マス・メディア に関するものが主でしたが、Webメディアの発展を機に、情報・報道というものも変わっていくのではないでしょうか。

 

 BuzzFeedWELQを比較していくと、はやり現状としては信頼性の高い情報をWebで発信していく事が難しいように見えますね。

 また、信頼性を担保する為には、専門の医師や既存メディアの記者など、従来の権威に頼らなくてはならないという面もあります。

 

 これから、ネット空間の中で純粋培養されるジャーナリストなどが生まれてくれば、そういった認識も変わるのではないでしょうか。また、Googleアルゴリズム自体も、信頼性を重視する方向に変わっていくのかも知れませんね。

BuzzFeedの運営戦略からWELQ問題を考えてみた【前編】

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 昨年の12月、DeNaの医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」で、医学的に信憑性のない記事が掲載されていた事が発覚し、問題になりました。該当の記事は、Googleで上位検索されていたという事もあり、Webメディアが誤報を流す事による世間への影響力の高さを改めて感じる事件となりました。

 

 こうしたWebサイトは、SEO対策が施された記事を掲載して、集客を目指す「キュレーションメディア」と呼ばれるものです。

 このような、いわゆるWebメディアは海外でも人気がありますが、海外のWebメディアは、どのようなSEO対策が施されていて、どのような運営戦略がとられているのでしょうか?

BuzzFeedの集客、SEO戦略とは

 現在、海外(英語圏)で有名なWebメディアといえば、まず「BuzzFeed」が挙げられます。

 

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   BuzzFeedは、2006年に設立された、同名の企業が運営しているWebメディアです。政治,DIY,動物,ビジネスといった様々なトピックを含んだコンテンツを配信している、WELQと同じキュレーションメディアです。

 

 現在では、記事だけではなく、オリジナルの動画コンテンツも配信しています。昨年の1月には日本版も開設されたBuzzFeedは、世界11ヵ国で30以上のプラットフォームを持っており、月間ユーザー数を2億人所有している巨大メディアです。

pvやcvなど、それぞれの効果測定指標の違い

  

 BuzzFeedは 、アクセス数を増加させるための戦略や、収益UPの方法についてどのように考えてるのでしょうか?

  BuzzFeedが公開した上記の記事には、彼らがデータをどのように扱い、考えているかがかなりの分量でまとめられています。

 

 すべては紹介できませんが、最も大きな考えの1つとして、「PV(ページ・ビュー)よりも、CV(コンテンツ・ビュー)を重視する」というものがあります。

 PVは、自社が構えたプラットフォームにどれ位のアクセスがあるかを測定する指標であるのに対して、CVは、プラットフォームを経由しているかどうかに関わらず、コンテンツが観覧されたかどうかを測定する指標です。

 例えば、Webメディアの中の1記事がSNSで拡散された場合、自社メディアへのアクセス、流入がなければPV数は増えません。

 しかしながら、SNS上で観覧はされている為、CV数は増加するというわけです。

BuzzFeedは「メディアならぬメディア」である

 BuzzFeedがこのような方法をとる理由は、当然「Googleからのアクセスより、SNSでの拡散を狙っているから」と考えられます。実際、現在GoogleからBuzzFeedにアクセスされているのは、全体の約20%であるそうです。

  • SEO対策を抑え目にする事で、コンテンツの強さをひきだしているから
  • そもそも、”需要と供給”という考え方をしていないから

 なぜSNSの拡散を重視しているかの理由に関しては、ネット上で様々な意見が見て取れますが、私は上記の2つではないかと考えました。

SNS対策を取らない事で、面白いものを作れる

 まず、1つ目ですが、SEOの基本的な方法に「検索キーワードを意識したライティング」があります。単語をGoogleで入力すると、サジェストが出てきます。例えば、「SNS」と入力すると、「SNS 初心者」「SNS 海外」といったサジェストが出ます。

 これらのワードを一定数含む記事を作成する事で、同一の語群で検索された場合、上位検索されやすくなります。WELQの記事も、このような対策がとられてました。

 しかし、これではどこの会社も、似たような構成、内容の記事を作成しています。

 

 対して、BuzzFeedもそうしたSEO対策をとってはいますが、内容を端的にあらわさない、思わせぶりなタイトルをつける事でアクセスを増加させている手法をとっています。

 加えて、BuzzFeedは特設スタジオを持ち、動画コンテンツ制作にも力を入れています。コンテンツの面白さを最大限に引き出す事で、アクセス数を増加させているので、検索エンジンからのアクセスを意識しすぎなくても良いのですね。

②情報を欲していないユーザーにアクセスさせる

 2つ目に、BuzzFeedが作成しているコンテンツは、「ユーザーにとって必要な情報」というわけではありません。

 若者にとって面白い情報であったり、話題の情報を提供する事を目的としています。それ故、検索エンジンから必要な情報を探す人たちにヒットするのは難しい部分があります。

 アメリカでは、Youtubeで面白映像を提供しているYoutuberのチームが若者に人気だったりしますが、BuzzFeedもそういった括りでとらえられている部分もあります。

 

 既存のメディアは、信頼性のある情報を速報で発信する事で拡大しましたが、信頼性と速報性に捉われないBuzzFeedは、「メディアならぬメディア」といえるでしょう。

【SEO初心者の素朴な疑問】SEO×小説ってアリなの?

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こんにちは。SEOを絶賛勉強中のなおやです!

 SEO対策を行っているWebライティングといえば、ブログだったり、企業が運営しているWebメディアだったりが思い浮かびます。

  ただ、Webで公開されている文章は、記事の他にも色々ありますよね。例えば、小説を公開しているWebサイトがありますが、そんな小説もSEO対策の効果があるのでしょうか?

SEO×小説は一長一短

 

 調べてみると、興味深いブログを見つける事が出来ました。

 このブロガーさんは、実際に『個人情報漏洩させたらこうなった 』という連載小説をはてなブログで公開していたようです。

  これは、文章は小説形式ですが、SEO対策を施した文章を使って物語が展開していきます。

 

 この連載小説は、トータルで月間1万PV程度のアクセスを獲得するなど、効果はあったようです。

 もともとのブログが人気があり、Twitterの通知などを通して読者を集める事が出来た事や、ブログの題材との関連性があった事などがアクセスの要因であったとも考えられますが、何より検索エンジンからのアクセスが多かった事を考えれば、やはりSEO対策の効果があったと言えるでしょう!

連載小説は回遊率が高い

アルファポリス - 電網浮遊都市 -

無料小説・小説投稿・登録サイト|ツギクル

 上記のような小説公開サイトでは、上述の小説へのアクセスは少なかったそうですが、Googleでは評価されているということ。

現状、『個人情報漏洩』でgoogle検索すると、60話のどれかか、『はじめに』の記事が20位以内くらいに出てくる。(タイミングによると思うが)

はじめは50位くらいで、そこから徐々に上がってきた。
今回の小説については回遊率が高く、閲覧時間が長いので、SEO的に評価されてもっと順位上がってくるかも知れない。(という期待……)

とも書かれているように、回遊率(たとえば、1話目を読んだユーザーさんが、2話目を再び読んでくれる確率)が高く、 長期連載となれば、アクセスの固定かも期待できそうですね。

SEO×小説なら歴史物がよさそう!

 上で紹介させていただいた小説は、

 

SEO×詩とかもでてきそう?

 

  SEO×小説というフォーマットには、何やら成功のにおいがしますね!!!

 他にも、SEO×詩のように、様々な文章、文体とSEOを絡めるような時代が来るのではないでしょうか!

 また、詩や小説をネットで公開する場合、内容のすばらしさをユーザーがSNSの口コミで拡散してくれる…というのが理想ではあるでしょうが、あえて自分から集客をするという方法も十分に効果的なのではないでしょうか!

 

 現在、オウンドメディア(自社メディア)を使ったマーケティングが注目されていますが、小説を公開する事で話題性もありますし、若いユーザーも獲得する事ができますね。

まとめ

・メリット

①面白い。他のブログとの内容の被りを防ぐ事が出来る

②回遊率が高い

・デメリット

SEO対策が難しい(はじめからおわりまで、全部書いてしまってから対策をして、小出しに公開していくのがベストかも)

②小説ファンからのアクセスを期待できない

 

 SEOを記事以外で実践するのは、メリットとデメリットがありますが、SEOを意識した記事は「同じ内容だ」という指摘もありますし、あえて異なる文体での集客を試してみるのも良いかもしれません。