鈴木良治「SEO対策のためのWebライティング実践講座」(技術評論社、2015)
この本は、Webライティングについて分かり易く書いてありますが、純粋な文章を書く技術というよりも、SEO対策に使えるコンテンツの制作術がたくさんのっているという印象です。
というよりも、Webライティングという言葉自体が、文章をWeb上で書くという事のみを指す用語ではないようですね。例えば、この本では、うまい画像の利用方法であったりなども掲載されています。
特に、私のようなSEO初心者は、Webライティング、もしくはライティングというものの意味を正確に知りなおした方が良いかも知れませんね。
SEO初心者の誤解①良い文章を書くこと≠良いWebライティング
大学時代は歌詞、脚本、インタビュー記事など、様々な文章を書きまくっていた私が、一番最初に当たった壁がここです。
本のはじめにも書いてあるように、Webライティングとは紙媒体と異なるもののです。
Webと紙媒体のライティングの最も大きい違いは、SEO対策をしなければならないという事ですね。
そのために、校正といったツールを利用して、「客観的に良い文章」を作成する必要があります。
単純に、独自性や、ターゲットからみた面白さだけではダメなのが、Webライティングの難しいところですね。
SEO初心者の誤解②Webライティングとは、SEOを意識したライティングというだけではない
この本の第4章には、効果的なキャッチコピーの使い方がのっています。例えば、①金銭的にお得な情報②為になる情報③限定情報という3つのタイプを意識する事で、お得感を演出させる事が出来ます。
こうした手法は、Webツールによって半自動的に行える事ではなく、ライターの能力に大きく左右される部分でもあります。
前述の内容が、Webライターとしての必須スキルであるのに対して、こうした手法は文章のオリジナリティを高める為にも必須な方法です。
Webライティングは、ツールを使っての効率化を行う事が不可欠ですが、それだけでは、検索エンジンが評価の基準としている「独自性」を高める事が出来ないという事、あるいは、ターゲットが面白いと思える記事を書くことが難しいという事があります。
そういった意味でも、Webライティングと、人に届く文章を書くスキルがライターには同時に求められるようです。
SEO対策で大切な独自性
結論から言えば、紙媒体で「良し」とされるような書き方と、Webライティングの方法は、まったく違うというわけではないようです。
文字の強調やキーワードの考え方など、Web独特の考え方は多数あるわけでしたが、企画や本文の組み立てのやり方は、従来のライティングと共通しているわけです。
最近は、Webライティングが似通う事が多くなってきたという指摘があります。そういった状態を防ぐ為にも、Web以外から、面白い文章の書き方や、ネタを探る事は大切でしょう。
そうした独自性を高める方法の一つとして、本書のような専門本を多く読むというやり方があります。
SEO対策の方法も、Webライティングの方法もネット上で多く参照できるわけですが、無料で簡単に見ることが出来るからこそ、似通ったライティングが量産されてしまいます。
ですから、こうした本を読むことで、参考資料がかぶる事を抑える事ができますし、Webで参照するよりも、質の高い知識を得る事ができ、独自性のあるライティングへつなげる事ができるでしょう。