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BuzzFeedの運営戦略からWELQ問題を考えてみた【前編】

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 昨年の12月、DeNaの医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」で、医学的に信憑性のない記事が掲載されていた事が発覚し、問題になりました。該当の記事は、Googleで上位検索されていたという事もあり、Webメディアが誤報を流す事による世間への影響力の高さを改めて感じる事件となりました。

 

 こうしたWebサイトは、SEO対策が施された記事を掲載して、集客を目指す「キュレーションメディア」と呼ばれるものです。

 このような、いわゆるWebメディアは海外でも人気がありますが、海外のWebメディアは、どのようなSEO対策が施されていて、どのような運営戦略がとられているのでしょうか?

BuzzFeedの集客、SEO戦略とは

 現在、海外(英語圏)で有名なWebメディアといえば、まず「BuzzFeed」が挙げられます。

 

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   BuzzFeedは、2006年に設立された、同名の企業が運営しているWebメディアです。政治,DIY,動物,ビジネスといった様々なトピックを含んだコンテンツを配信している、WELQと同じキュレーションメディアです。

 

 現在では、記事だけではなく、オリジナルの動画コンテンツも配信しています。昨年の1月には日本版も開設されたBuzzFeedは、世界11ヵ国で30以上のプラットフォームを持っており、月間ユーザー数を2億人所有している巨大メディアです。

pvやcvなど、それぞれの効果測定指標の違い

  

 BuzzFeedは 、アクセス数を増加させるための戦略や、収益UPの方法についてどのように考えてるのでしょうか?

  BuzzFeedが公開した上記の記事には、彼らがデータをどのように扱い、考えているかがかなりの分量でまとめられています。

 

 すべては紹介できませんが、最も大きな考えの1つとして、「PV(ページ・ビュー)よりも、CV(コンテンツ・ビュー)を重視する」というものがあります。

 PVは、自社が構えたプラットフォームにどれ位のアクセスがあるかを測定する指標であるのに対して、CVは、プラットフォームを経由しているかどうかに関わらず、コンテンツが観覧されたかどうかを測定する指標です。

 例えば、Webメディアの中の1記事がSNSで拡散された場合、自社メディアへのアクセス、流入がなければPV数は増えません。

 しかしながら、SNS上で観覧はされている為、CV数は増加するというわけです。

BuzzFeedは「メディアならぬメディア」である

 BuzzFeedがこのような方法をとる理由は、当然「Googleからのアクセスより、SNSでの拡散を狙っているから」と考えられます。実際、現在GoogleからBuzzFeedにアクセスされているのは、全体の約20%であるそうです。

  • SEO対策を抑え目にする事で、コンテンツの強さをひきだしているから
  • そもそも、”需要と供給”という考え方をしていないから

 なぜSNSの拡散を重視しているかの理由に関しては、ネット上で様々な意見が見て取れますが、私は上記の2つではないかと考えました。

SNS対策を取らない事で、面白いものを作れる

 まず、1つ目ですが、SEOの基本的な方法に「検索キーワードを意識したライティング」があります。単語をGoogleで入力すると、サジェストが出てきます。例えば、「SNS」と入力すると、「SNS 初心者」「SNS 海外」といったサジェストが出ます。

 これらのワードを一定数含む記事を作成する事で、同一の語群で検索された場合、上位検索されやすくなります。WELQの記事も、このような対策がとられてました。

 しかし、これではどこの会社も、似たような構成、内容の記事を作成しています。

 

 対して、BuzzFeedもそうしたSEO対策をとってはいますが、内容を端的にあらわさない、思わせぶりなタイトルをつける事でアクセスを増加させている手法をとっています。

 加えて、BuzzFeedは特設スタジオを持ち、動画コンテンツ制作にも力を入れています。コンテンツの面白さを最大限に引き出す事で、アクセス数を増加させているので、検索エンジンからのアクセスを意識しすぎなくても良いのですね。

②情報を欲していないユーザーにアクセスさせる

 2つ目に、BuzzFeedが作成しているコンテンツは、「ユーザーにとって必要な情報」というわけではありません。

 若者にとって面白い情報であったり、話題の情報を提供する事を目的としています。それ故、検索エンジンから必要な情報を探す人たちにヒットするのは難しい部分があります。

 アメリカでは、Youtubeで面白映像を提供しているYoutuberのチームが若者に人気だったりしますが、BuzzFeedもそういった括りでとらえられている部分もあります。

 

 既存のメディアは、信頼性のある情報を速報で発信する事で拡大しましたが、信頼性と速報性に捉われないBuzzFeedは、「メディアならぬメディア」といえるでしょう。